体感音響研究所

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ボディソニックが音楽療法用として満たすべき性能と受容的音楽療法例

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ボディソニックの技術


 bodysonic.cc


 
          ボディソニックを使用した音楽療法例(3)
 
1993年 Muramatsu Planning  
                                               人工透析
7.人工透析

 人工透析は一回の透析に要する時間は4〜5時間ぐらいで、週1〜3回ぐらいしなければならず、成分献血よりはるかにたいへんである。この分野で音楽療法を最初に適用をしたのは、大阪府立病院腎臓内科医長の椿原美春先生である。同病院の人工透析室の看護婦さん達(表文恵、田島佳代、吉永徳江、浦出節子、原田美恵子、西村明子、尾副節子、下田俊文、春木谷マキ子、黒畑功、豊中啓尹子)が「血液透析中における音楽療法の試み」として大阪透析研究会誌に発表し注目された。医療用・ボディソニック・ベッドパットを使用して、音楽は患者さんに好きなテープを持ってきて医療用ボディソニック搭載・ベッドパッドもらうのを基本にしているそうである。人工透析を受ける患者は最近は年間八千人づつ増えており、現在では十万人を越えている。いままでは高齢者や合併症を患っている患者は技術的に困難で適用されない場合が多かったが、医療技術の進歩でそうした難しい患者にも透析を適用するようになってきた。

医療用・ボディソニック・ベッドパット
   人工透析、 外科領域での術前術後、末期医療など、
   さまざまな領域で使用されている


 最近は糖尿病が原因で腎不全になった透析患者が増えているが、こうした患者は腎臓だけでなく全身の臓器が機能不全になっていたり、高齢の人が多い。透析を初めて行なう導入患者は、経験がないため不安とストレスがたいへん高い。とくに高齢であったり合併症を持つなどの難しい患者では特にいちぢるしく、安定透析に至る経過が非常に長くなってしまったり「寝たきり」になってしまったりというケースもあると聞く。このため、導入期を乗り切って安定期に入るまでは患者のストレスを軽減することが非常に重要である。
 透析導入期が患者の一生を左右するものであり、それがうまくいかなければ心身症になったり、最悪の場合は透析拒否をして死んでしまう。こうしたことを避けるために音楽療法の必要度が高いわけである。大阪府立病院は基幹病院という性格上、導入患者や大きな手術を必要とするような患者ばかりを扱っていて、患者のストレスの軽減は他の人工透析施設におけるよりも一層重要になっている。そして3〜6カ月の導入期を終え、透析を受容した患者はこのセンターから転院していくシステムになっている。そうした患者さん達にボディソニックを使用した音楽療法が行なわれているが、ストレス軽減に顕著な効果を上げている。
                                         7.1大阪府立病院の症例
7.1 大阪府立病院の症例
 
「血液透析中における音楽療法の試み」
   表 文恵、田島佳代、吉永徳江、浦出節子、原田美恵子、西村明子、尾副節子、下田俊文、
   春木谷マキ子、黒畑 功(大阪府立病院 人工透析室)、豊中啓尹子(大阪府立病院 精神科)


症例1
 64才の男性、趣味は音楽鑑賞、散歩。職業は元教師。家族構成は妻と2人暮し。合併症は糖尿病性網膜症により全盲。糖尿病性胃腸運動障害による消化器症状・血糖変動が著明。
 現病歴は糖尿病性腎症により '89年3月に透析導入。妻の協力により週2回、1回あたり4時間の通院維持透析を続けている。ボディソニックによる音楽療法施行前は透析中の吐き気、嘔吐、血圧変動が著明であったが、音楽療法により、それらの消化器症状の軽減と血圧の安定化傾向を認めた。CASによれば、音楽療法前は高い不安度を示し不安神経症タイプであったが、音楽療法後は全項目に於て改善し、精神的な安定を認めた。

症例2
 35才の主婦で、趣味は音楽鑑賞。家族構成は夫と子供2人。合併症は貧血。
 現病歴は '86年12月慢性糸球体腎炎で透析導入。週1回4時間の維持透析中。音楽療法施行前は透析中に腹痛・倦怠感などの訴えが強かったが、音楽療法施行によって愁訴の減少と血圧変動の減少を認められた。CASによると不安に対する耐性を有するタイプであったが、音楽療法後はさらに外環境への過剰な反応がなくなり、精神的な安定を認めた。

引用文献
 表 文恵、田島佳代、吉永徳江、浦出節子、原田美恵子、西村明子、尾副節子、下田俊文、
 春木谷マキ子、黒畑 功、豊中啓尹子:血液透析中における音楽療法の試み
 大阪透析研究会会誌 1990,9月,8巻2号 p173-177


 こうしたし症例を見ると音楽療法で精神的に安定することによって吐き気、嘔吐が少なくなり血圧変動が軽減し、腹痛・倦怠感など愁訴が減少しているのは、スムースな透析を可能とし患者にとって福音であろう。音楽療法の適用によって、ストレスを和らげることが、さまざまな良い効果となって表われていることが窺える。
                                         7.2聖路加病院などの例
7.2 聖路加病院などの例
 
 聖路加病院の人工透析室では医療用・ボディソニック・ベッドパットを4床と、篠田教授から相談を受けた特別設計の透析椅子用のボディソニックも使用されていて、「慢性透析患者・透析中の音楽併用の試み」(土屋みゆき、樋口正子、大岩考誌、篠田知璋)が日本バイオミュージック学会で発表されている。また、篠田知璋教授による「音楽療法:慢性疾患、特に透析患者への応用」が心身医学会で発表されている。
 そのほか、東北大学医学部においても応用されており、田中文人、村中一文、野村泰輔、青木茂美、峰岸俶子の諸先生による「人工透析例に対する音楽療法の鎮痛効果 −特に脳波トポグラフィを用いた治療効果の検討− 」が心身医学会で発表されている。こちらも医療用・ベッドパット式ボディソニックを使用している。
     体感音響装置・ボディソニック搭載の人工透析椅子
                    聖路加国際病院・人工透析室

 人口透析は長時間にわたるもので、少しでも快適にするためにも、注目される分野である。透析の患者は心身症の傾向が見られる場合も多く、その面からも音楽療法適用の効果が期待される。大阪府立病院のような難しい患者でなくても、透析中を少しでも快適に過ごす、クォリティオブライフの立場からも重要なことである。聖路加病院で看護婦さんから切実にいわれたことは、患者さんのボディソニック使用の要望がとても強いことです。そうしたこともあって最初は一床だったのが段々増えていった。
 元々、病気や医療には精神的、肉体的な苦痛や不快感が伴うが、それを少しでも緩和することは、人間的に医療の質を高めることでもある。そしてそのことが好影響を及ぼして医療上、好ましい結果にもつながっている。


参考文献
 音楽療法最前線(1) 「大阪府立病院人工透析室での音楽利用」
 椿原美治:(大阪府立病院腎臓内科医長)  日本バイオミュージック研究会誌 1990,12.Vol.5 p40-43

 表 文恵、田島佳代、吉永徳江、浦出節子、原田美恵子、西村明子、尾副節子、下田俊文、春木谷マキ子、黒畑 功、
 豊中啓尹子:血液透析中における音楽療法の試み  大阪透析研究会会誌 1990,9月,8巻2号 p173-177

 篠田知璋:音楽療法 −慢性疾患、とくに透析患者への応用−
 日本心身医学会誌(心身医学) 1991.Vol.31 p10

 土屋みゆき、樋口正子、大岩孝誌、篠田知璋:慢性透析患者・透析中の音楽併用の試み
 日本バイオミュージック研究会誌 1991,8月 Vol.6, p106

 田口文人、村中一文、野村泰輔、青木茂美、峰岸俶子:人工透析例に対する音楽療法の鎮静効果
  −特に脳波トポログラフィを用いた治療効果の検討−  日本心身医学会誌(心身医学) 1991.Vol.31 p10

 篠田知璋:芸術療法  慢性透析患者への透析中の音楽療法の試み
 日本心身医学会誌(心身医学) 1992,2月 Vol.32 第2号, p108-113


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